結論
覚えたい知識に対して「なぜそうなるのか?」を自分で説明する学習法(エラボレーティブ・インタロゲーション)は、単なる読み直しよりも学習効果を高める可能性があります。
実際に大学生を対象とした研究では、「なぜこれは正しいのか?」という問いを挟みながら学習したグループの方が、通常学習グループより高いテスト成績を示しました。 oai_citation:0‡UW-La Crosse
こんな悩みはありませんか?
- 教科書を何回読んでも忘れる
- 暗記したはずなのに思い出せない
- 理解したつもりなのに問題になると解けない
- 勉強時間の割に成績が伸びない
もし当てはまるなら、「なぜ?」を活用する学習法が役立つかもしれません。
エラボレーティブ・インタロゲーションとは?
エラボレーティブ・インタロゲーション(Elaborative Interrogation)とは、
「なぜその事実が正しいのか?」を自分で説明する学習法
です。
例えば、
事実:
「運動すると記憶力が向上する」
で終わるのではなく、
- なぜ運動すると記憶力が向上するのか?
- 脳内では何が起きているのか?
- 他の学習法と何が違うのか?
まで考えます。
この作業によって、新しい知識と既存の知識が結びつき、記憶が強化されると考えられています。 oai_citation:1‡UW-La Crosse
研究概要
研究機関:
University of Wisconsin-La Crosse(教育改善ガイド)
内容:
大学生に消化に関する長文を読ませました。
通常学習グループ
普通に文章を読む
EIグループ
文章中に
「なぜこれは正しいのか?」
という問いが挿入されている
その都度、自分で説明しながら学習
結果、
- EIグループ:76%正答
- 通常学習グループ:69%正答
となり、EIグループの方が高い成績を示しました。 oai_citation:2‡UW-La Crosse
なぜ効果があるのか?
単純な暗記は、
「情報を置くだけ」
です。
しかし、
「なぜ?」
を考えると、
既に知っている知識と結び付きます。
例えば、
「海沿いは夏涼しい」
という知識を覚える場合、
なぜ?
↓
海は温まりにくいから
↓
比熱が大きいから
↓
水は温度変化しにくいから
と知識のネットワークができます。
脳は孤立した情報よりも、
つながった情報を思い出しやすいと言われています。 oai_citation:3‡UW-La Crosse
受験勉強への活かし方
英語
長文を読んだら
- なぜ筆者はこの主張をするのか?
- なぜこの具体例を出したのか?
を考える
数学
公式を覚えるだけでなく
- なぜこの公式が成り立つのか?
- なぜこの解法を選ぶのか?
を説明する
物理
- なぜ保存則が使えるのか?
- なぜこの力を考えるのか?
を言語化する
化学
- なぜ沸点が高くなるのか?
- なぜ酸性になるのか?
- なぜ電池として働くのか?
を説明する
単なる暗記より理解が深まりやすくなります。
私ならこう使う
私なら問題演習後に、
「なぜ最初の一手としてその解法を選ぶのか?」
を必ず言葉にします。
実際、ただ解説を読むだけよりも、
自分で理由を説明した問題の方が後から思い出しやすいと感じます。
知識を詰め込むというより、
知識同士をつなげる感覚に近い学習法です。
個人差があっても伸びる可能性はある
この学習法は特別な才能を必要としません。
重要なのは、
- 正しい説明を作ること
- 短時間でも継続すること
です。
研究者は、EIを繰り返し使うことで累積的な効果が期待できると述べています。 oai_citation:4‡UW-La Crosse
効果的な実践方法
おすすめは以下の流れです。
① 教科書を読む
↓
② 重要部分に線を引く
↓
③ 「なぜ?」を付ける
↓
④ 自分の言葉で説明する
↓
⑤ 説明できなかった部分だけ復習
この方法はアクティブリコールとも相性が良いです。
この研究・学習法の限界
研究者は、
「ある程度の背景知識が必要」
とも指摘しています。 oai_citation:5‡UW-La Crosse
つまり、
全く知らない内容に対して
「なぜ?」
を考えても説明できません。
そのため、
基礎知識を学んだ後の復習段階で使うのがおすすめです。 oai_citation:6‡UW-La Crosse
おすすめ教材
数学
・数学 方程式・図形・関数からととのえる数学の基礎
定義や概念を理解しながら「なぜ?」を考えやすい
・理系数学マスト160題
発想の部分が丁寧で、解法選択の理由を学びやすい
物理
・良問の風
現象の理由を説明する練習に向いている
化学
・化学重要問題集
暗記ではなく理屈で理解する訓練に向いている
FAQ
Q. 音読でも効果はありますか?
あります。
ただし、
ただ読むだけではなく
「なぜそうなるのか?」
を考えながら音読するとさらに効果的です。
Q. 全科目で使えますか?
使えます。
特に、
- 英語
- 数学
- 物理
- 化学
- 生物
- 社会
との相性が良いです。
Q. ノートに書くべきですか?
最初は口頭でも十分です。
慣れてきたら1~2行で説明を書き残すと定着しやすくなります。
まとめ
エラボレーティブ・インタロゲーションとは、
「なぜそれが正しいのか?」
を自分で説明する学習法です。
研究では、通常学習より高いテスト成績が報告されています。 oai_citation:7‡UW-La Crosse
覚えることに苦労している人ほど、
知識を増やすより先に
「なぜ?」
を増やしてみる価値があるかもしれません。
参考文献
Cerbin, W. (2015). Elaborative Interrogation. University of Wisconsin-La Crosse Center for Advancing Teaching and Learning. oai_citation:8‡UW-La Crosse
Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving Students’ Learning With Effective Learning Techniques. oai_citation:9‡UW-La Crosse


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