自己説明(Self-Explanation)は最強の勉強法か?ハーバード大学が紹介する学習科学

科学的勉強法

「理解したつもり」で終わっていませんか?

こんな経験はありませんか?

  • 解説を読んだ瞬間は理解できた気がする
  • 数学の解答を見れば納得できる
  • しかし翌日には解けない

実は「理解したつもり」と「本当に理解した」は別物です。

ハーバード大学の教育研究まとめでは、

学んだ内容を自分の言葉で説明する『自己説明(Self-Explanation)』が学習効果を高める

ことが紹介されています。


結論

自己説明とは、

「なぜそうなるのか」を自分で言葉にしながら学習する方法

です。

研究では、

  • 問題解決能力の向上
  • 理解の深化
  • 誤解の発見
  • 長期記憶への定着

に役立つことが示されています。

特に受験勉強では、

「答えを覚える」ではなく

「なぜその解法になるのかを説明する」

ことが重要です。


研究概要

ハーバード大学の教育研究サイトABLConnectでは、

1980年代以降の自己説明研究を整理しています。

自己説明は、

  • 数学
  • 化学
  • 生物
  • 看護学

など様々な分野で研究されてきました。

研究者たちは、

学習者が新しい知識を既存知識と結び付ける過程で自己説明が重要な役割を果たすと考えています。


実験内容・研究内容

自己説明研究では、

学習者に単に解答を読むだけではなく、

  • なぜその解法になるのか
  • なぜその式を使うのか
  • なぜその答えになるのか

を説明させます。

その結果、

自己説明を行った学習者の方が深い理解や問題解決能力を示すことが報告されています。


自己説明とは何か?

例えば数学なら

悪い例

「この問題は部分積分だった」

良い例

「なぜ部分積分を使うのか?」

「積の形になっていて微分しやすい関数と積分しやすい関数があるから」

このように、

解法選択の理由まで言語化する

のが自己説明です。


なぜ効果があるのか?

① 知識同士がつながる

新しく学んだ内容を、

既に知っている内容と結び付けることができます。

例えば化学なら

  • 酸化還元
  • 電池
  • 電気分解

を別々に覚えるのではなく、

電子の移動という共通概念で理解できるようになります。


② 理解不足が見つかる

説明できない部分は理解できていない部分です。

自己説明によって、

自分の理解度を正確に把握しやすくなります。


受験勉強への活かし方

数学

問題を解いた後に

  • なぜその解法を選んだか
  • 他の解法ではダメなのか
  • 最初の着眼点は何か

を30秒説明する。

具体的な練習方法

文系プラチカや理系数学マスト160を解いたら、

解答を閉じた状態で

「なぜその方針になったか」

を声に出して説明します。

解法暗記ではなく、

解法選択の理由を言語化する練習が重要です。


物理

物理では

  • なぜ保存則を使う?
  • なぜ運動方程式を立てる?
  • なぜその系を選ぶ?

を説明する。

公式暗記ではなく、

支配法則を選ぶ理由まで説明できる状態を目指します。


化学

解答暗記ではなく

  • なぜその反応が起きるのか
  • なぜそのイオンが生じるのか
  • なぜその公式になるのか

を説明します。

例えばモル濃度なら

「溶液1L中に何molの溶質が含まれているか」

という意味まで説明できる状態にします。

事実だけでなく理屈もセットで覚えることが重要です。


私が実践して感じたこと

私自身も問題演習後に

「なぜその解法になったのか」

を説明するよう意識すると、

ただ解答を眺めるだけの時より理解が深まりました。

特に数学では、

解法そのものよりも

「どの条件からその発想が出たか」

が記憶に残りやすくなりました。


才能がなくても伸びる理由

難関大学の入試問題でも、

実際には

  • 標準解法
  • 基本定理
  • 典型発想

の組み合わせで解けることがほとんどです。

自己説明によって

「なぜその標準解法を使うのか」

が定着すると、

初見問題でも応用しやすくなります。

つまり、

難問対策の近道は特殊な裏技ではなく、

標準問題を深く理解することなのです。


この研究の限界

今回紹介した内容は、

単一の実験ではなく複数研究をまとめた教育記事です。

また、

自己説明だけで成績が必ず上がるわけではなく、

十分な演習量や復習も必要です。

あくまで学習効果を高めるための有力な補助戦略として考えるべきでしょう。


おすすめ教材

数学

  • 理系数学マスト160
  • 1対1対応の演習
  • チャート式
  • 文系プラチカ

化学

  • 化学重要問題集
  • 化学の新演習

学習科学

  • メイク・イット・スティック
  • ULTRA LEARNING

自己説明との相性が良い学習法を学べます。


よくある質問

Q. 解説を読むだけではダメ?

読むだけより、

自分で説明した方が理解が深まるとされています。

Q. 声に出す必要はある?

必須ではありませんが、

声に出した方が理解不足に気付きやすくなります。

Q. どれくらいやればいい?

1問につき30秒〜1分程度でも十分です。


まとめ

自己説明は

  • 理解を深める
  • 記憶を定着させる
  • 理解不足を発見する
  • 問題解決能力を高める

可能性がある学習法です。

特に受験勉強では、

「解けたか」ではなく「なぜその解法になったか説明できるか」

を意識することで学習効率の向上が期待できます。


参考文献

Harvard Graduate School of Education
Self-Explanation (& Think-Alouds)

Self-Explanation (& Think-Alouds) | ABLConnect

Chi et al. (1994)
Eliciting Self-Explanations Improves Understanding

Durkin (2011)
The Self-Explanation Effect when Learning Mathematics

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