読者の悩み
勉強しているのに、なぜか問題になると解けない。
参考書を読んだときは理解したつもりなのに、いざ説明しようとすると言葉が出てこない。
このような経験がある人は多いと思います。
その原因の一つは、「わかったつもり」になっていることです。
今回紹介するファインマン・テクニックは、この「わかったつもり」を見抜き、本当の理解に変えるための学習法です。
結論
結論から言うと、ファインマン・テクニックは、
「学んだ内容を、小学生にもわかる言葉で説明する」
ことで、理解の穴を発見する勉強法です。
ただ暗記するのではなく、
・何を知っているのか
・どこが曖昧なのか
・なぜそうなるのか
・どう説明すれば伝わるのか
を確認できるため、受験勉強や資格勉強にもかなり使いやすい方法です。
元記事の概要
今回参考にしたのは、Farnam Street の「Feynman Technique: The Ultimate Guide to Learning Anything Faster」という記事です。
この記事では、物理学者リチャード・ファインマンの考え方をもとに、複雑な内容をシンプルに説明できることが深い理解につながると紹介されています。
ファインマン・テクニックの基本手順は次の4つです。
- 学ぶ概念を選び、知っていることを書き出す
- 12歳の子どもにもわかるように説明する
- わからない部分を見つけて復習する
- 説明をテストし、保存して復習する
ファインマン・テクニックのやり方
1. 学ぶテーマを1つ決める
まず、学びたいテーマを1つ決めます。
例としては、
・二次関数の最大最小
・酸化還元反応
・英語の関係代名詞
・運動方程式
・細胞呼吸
などです。
ポイントは、範囲を広げすぎないことです。
「数学を理解する」では広すぎます。
「二次関数でなぜ平方完成を使うのか」くらいまで絞ると、かなり効果が出やすくなります。
2. 何も見ずに説明を書いてみる
次に、教科書や参考書を閉じて、自分の言葉で説明を書きます。
ここで大事なのは、きれいな文章にしようとしないことです。
まずは、
「つまり何?」
「なぜそうなる?」
「どんなときに使う?」
「問題文のどこを見たら使うと判断できる?」
を意識して書き出します。
この段階で手が止まる部分が、自分の理解が弱い部分です。
3. 小学生にもわかる言葉に言い換える
ファインマン・テクニックで特に重要なのがここです。
難しい専門用語をそのまま並べるのではなく、できるだけ簡単な言葉で説明します。
たとえば数学なら、
「増加関数だから」
で終わらせるのではなく、
「xが大きくなるにつれて、yも大きくなる関係だから」
と説明します。
化学なら、
「質量モル濃度は mol/kg」
で終わらせるのではなく、
「溶媒1kgあたりに、溶質が何mol溶けているかを表す濃度」
と説明します。
このように、公式や用語を“意味”に戻すことが大切です。
なぜ効果があるのか
ファインマン・テクニックが効果的なのは、自分の理解不足が強制的に見えるからです。
参考書を読んでいるだけだと、わかった気になります。
しかし、説明しようとすると、
・言葉にできない
・理由が言えない
・例が出せない
・どこで使うか判断できない
という弱点が一気に出ます。
つまり、説明できない部分こそ、復習すべき場所です。
これは受験勉強でかなり重要です。
特に数学や理科では、解法を暗記しても、問題文を見た瞬間に「なぜこの1行目から始めるのか」がわからなければ、初見問題で止まります。
ファインマン・テクニックは、この「解答の1行目を思いつく力」を鍛えるのに向いています。
受験勉強への使い方
数学で使う場合
数学では、問題を解いた後に次のように説明します。
・なぜ最初にこの式を置いたのか
・問題文のどの条件からその発想が出たのか
・他の解法ではなく、なぜこの解法を選んだのか
・この問題の本質は何か
たとえば、最大最小問題なら、
「最大最小を聞かれている」
→「式の形を整理したい」
→「二次式なら平方完成」
→「範囲があるなら端点も確認」
というように、1行目の発想まで説明します。
ただ答えを写すより、この説明練習の方が成績に直結しやすいです。
化学で使う場合
化学では、公式の暗記だけでなく、単位の意味を説明します。
たとえば、
質量モル濃度 mol/kg
=溶媒1kgあたりに溶質が何molあるか
気体定数 R
=気体の状態方程式 PV=nRT で、圧力・体積・物質量・温度をつなぐ比例定数
このように、定義を声に出して暗唱できるレベルまで持っていくことが大切です。
特に化学は、事実と理屈をセットで覚えると強くなります。
「合成洗剤は中性」
だけでなく、
「強酸と強塩基からできる塩なので中性になりやすい」
というように、理由まで説明できる状態を目指します。
英語で使う場合
英語では、文法事項を説明するのに使えます。
たとえば関係代名詞なら、
「名詞を後ろから説明するための形」
「前の名詞が、後ろの文の中で主語や目的語の役割をしている」
と説明します。
さらに、音読と組み合わせると効果的です。
毎日10〜15分でもいいので、英文を声に出して読み、自分の耳で聞く時間を作ると、英語の語順のまま理解する感覚が作られやすくなります。
私がこの方法を使うなら
私なら、問題集を解いた後に、ノートの端に「なぜこの1行目?」という欄を作ります。
そして、
・問題文のどこを見たか
・なぜその解法を選んだか
・次に同じ型が出たら何に気づけばいいか
を1〜3行で書きます。
これを続けると、単なる丸暗記ではなく、初見問題で使える知識に変わりやすくなります。
注意点
ファインマン・テクニックは強力ですが、これだけで全ての勉強が完成するわけではありません。
特に受験では、
・基礎知識の暗記
・標準問題の反復
・記述練習
・過去問演習
も必要です。
説明できることは大切ですが、実際に問題を解く練習も必ずセットで行うべきです。
おすすめ教材
数学:方程式・図形・関数からととのえる数学の基礎
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数学の定義や概念を確認し直すのに向いており、「なぜこの式を使うのか」を説明する練習と相性が良い教材です。
数学:良問プラチカ
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標準〜やや応用レベルの問題で、解法の暗記ではなく「問題文から何を読み取るか」を鍛えやすい問題集です。
化学:化学重要問題集
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入試標準レベルの典型問題を通して、公式の意味や反応の理由を説明する練習に使いやすい教材です。
英語:英文解釈の参考書
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英文を構造から説明する練習に向いており、ただ読むだけでなく「なぜこの訳になるのか」を確認できます。
FAQ
Q. ファインマン・テクニックは暗記科目にも使えますか?
使えます。
ただし、用語をそのまま覚えるだけではなく、「なぜそうなるのか」「どういう意味なのか」を説明する形で使うのがおすすめです。
Q. 何分くらいやればいいですか?
最初は1テーマ10分で十分です。
1日1テーマだけでも、理解の穴を見つける練習になります。
Q. 説明する相手がいない場合は?
ノートに書くだけでも大丈夫です。
スマホの録音機能を使って、自分で説明して聞き返すのも効果的です。
Q. 受験生はどう使うべきですか?
問題を解いた後に、
「なぜこの1行目から始めるのか」
を説明する練習に使うのがおすすめです。
これができるようになると、初見問題への対応力が上がりやすくなります。
まとめ
ファインマン・テクニックは、学んだ内容を簡単な言葉で説明することで、本当に理解できているかを確認する勉強法です。
特に重要なのは、
・説明できない部分を見つける
・難しい言葉を簡単な言葉に直す
・わからない部分を復習する
・もう一度説明する
という流れです。
受験勉強では、ただ解法を覚えるだけでなく、
「なぜこの解法を選ぶのか」
「問題文のどこから発想するのか」
「解答の1行目はなぜ導かれるのか」
を説明できるようにすることが大切です。
わかったつもりを減らしたい人には、かなりおすすめできる学習法です。
参考
Farnam Street
Feynman Technique: The Ultimate Guide to Learning Anything Faster


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