「英単語はたくさん覚えたのに英語が話せない。」
「英文を読むのに時間がかかる。」
「リスニングで知っている単語なのに聞き取れない。」
このような悩みを抱えている人は少なくありません。
実は、多くの英語学習者は「単語を1語ずつ覚える」ことに集中しすぎています。
近年、英語教育ではレキシカルアプローチ(Lexical Approach)という考え方が注目されています。これは、単語をバラバラに覚えるのではなく、「チャンク(Lexical Chunks)」と呼ばれる語のまとまりで学習する方法です。
例えば、
- by the way
- at the same time
- as soon as possible
- I don’t think so
のように、よく一緒に使われる表現を一つのまとまりとして覚えることで、読む・聞く・話す・書く力を効率よく伸ばせる可能性があります。
この記事では、EBSCO Research Starters、Gallery Teachers、Grade University、Frau Bastow MFLなど海外の教育機関・専門家の情報をもとに、レキシカルアプローチが英語学習にどのような効果をもたらすのかを科学的に解説します。
この記事の結論
レキシカルアプローチとは、「単語を1語ずつ覚える」のではなく、「意味のある語のまとまり(チャンク)」で学習する方法です。
チャンクで覚えることで、
- リーディング速度が上がる
- リスニングで聞き取りやすくなる
- 英作文がしやすくなる
- 英会話で自然な表現を使いやすくなる
- ワーキングメモリの負担を減らせる
など、多くのメリットが期待できます。
英語力を伸ばしたい場合は、単語帳だけでなく、「よく使われるフレーズ」をまとめて覚えることが重要です。

根拠の信頼性
この記事は以下の情報源をもとに作成しています。
- EBSCO Research Starters
- Gallery Teachers
- Grade University
- Frau Bastow MFL
- レキシカルアプローチに関する教育研究・応用言語学
これら複数の海外情報を比較し、日本の英語学習者向けに整理しています。
レキシカルアプローチとは?
レキシカルアプローチとは、1990年代に提唱された英語教育法の一つで、「語彙(Lexis)」を中心に学習を進める考え方です。
従来の英語学習では、
- 文法を覚える
- 単語を覚える
- 文を作る
という順番で学ぶことが多くありました。
一方、レキシカルアプローチでは、
「英語は単語の集合ではなく、よく一緒に使われる表現の集合である」
という考え方を重視します。
例えば、
「take」
という単語だけ覚えるよりも、
- take a break
- take a look
- take responsibility
- take care of
という形で覚えた方が、実際の英語では使いやすくなります。

実験内容・研究結果
EBSCO Research Starters
EBSCOでは、レキシカルアプローチは「文法中心」ではなく、「実際に使われる語のまとまり」を重視する教授法として紹介されています。
特に、
- コロケーション(よく一緒に使われる語)
- 固定表現
- 慣用句
- 定型表現
などをまとめて学ぶことで、自然な英語運用能力の向上が期待されると説明されています。
Gallery Teachers
Gallery Teachersでは、チャンクで聞く練習がリスニング力向上に役立つ可能性を紹介しています。
英語を一語ずつ処理するのではなく、
例えば、
❌ I / am / going / to / school
ではなく、
✅ I am going to / school
のように意味のまとまりで聞くことが重要だとしています。
これにより、英文全体を理解しやすくなると説明されています。
Grade University
Grade Universityでは、チャンク学習は英会話にも効果的であると紹介されています。
毎回文法を考えて英文を組み立てるのではなく、
- Nice to meet you.
- How are you doing?
- It depends.
- Sounds good.
などを一まとまりとして覚えることで、会話中の処理速度が上がりやすくなります。
Frau Bastow MFL
Frau Bastow MFLでは、中高生への外国語教育でもチャンク学習を積極的に活用しています。
語のまとまりを繰り返し音読し、実際の会話や作文で使うことで、文法知識だけでは身につきにくい自然な表現を習得しやすくなると紹介されています。
海外研究・専門機関の比較から見えたこと【独自調査】
レキシカルアプローチは、応用言語学や英語教育の分野で長年研究されてきました。今回参考にしたEBSCO Research Starters、Gallery Teachers、Grade University、Frau Bastow MFLを比較すると、「英語を単語単位ではなく、意味のまとまりで処理すること」が学習効率を高めるという点で一致しています。
共通している点
複数の情報源に共通していた内容は次のとおりです。
- 単語だけを覚えるよりチャンクで覚える方が実践的
- リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングすべてで活用できる
- ネイティブは単語単位ではなく、まとまりで処理している
- コロケーション(よく一緒に使われる語)の学習が重要
- 音読や反復練習との相性が良い
つまり、「単語をたくさん知っていること」と「英語を使いこなせること」は必ずしも同じではなく、語の組み合わせまで含めて覚えることが重要だと考えられます。
それぞれ異なる視点
EBSCO Research Starters
レキシカルアプローチの理論や歴史、教育的な位置づけを中心に解説しています。
特に「語彙は単語だけではなく、チャンク全体で捉えるべき」という考え方が強調されています。
Gallery Teachers
リスニング指導への応用を重視しています。
意味のまとまりごとに聞き取ることで、一語ずつ翻訳する癖が減り、英語を英語のまま理解しやすくなると説明しています。
Grade University
スピーキング指導に重点を置いています。
頻繁に使われるチャンクを繰り返し使うことで、会話時の処理速度や流暢さが向上しやすいと紹介しています。
Frau Bastow MFL
学校教育での実践例を多く紹介しています。
チャンクを繰り返し音読・作文・会話で使うことで、知識を実際の運用へつなげる指導法を提案しています。
比較して分かったこと
複数の海外情報を比較すると、レキシカルアプローチは単なる暗記法ではなく、「英語を実際に使えるようにするための学習法」であることが分かります。
英単語帳で単語だけを増やすよりも、
- コロケーション
- 定型表現
- 会話表現
- 熟語
- フレーズ
をまとめて学ぶことで、読む・聞く・話す・書くすべての技能へ応用しやすくなる可能性があります。

研究の限界
レキシカルアプローチは有効な学習法として広く支持されていますが、いくつか注意点もあります。
文法学習が不要になるわけではない
チャンクを覚えることは重要ですが、それだけで複雑な英文を自由に作れるようになるわけではありません。
高度な英作文や読解では、文法知識も引き続き必要です。
初級者は負担を感じることもある
チャンクには複数の単語が含まれるため、英語を学び始めたばかりの人は覚える量が多く感じることがあります。
まずは日常的によく使われる短いチャンクから始めると取り組みやすいでしょう。
インプットだけでは定着しにくい
チャンクは読むだけ・見るだけでは定着しにくく、音読や会話、英作文などのアウトプットを組み合わせることが重要です。
科学的メカニズム
レキシカルアプローチが効果を発揮する背景には、脳の情報処理や記憶の仕組みが関係しています。
ワーキングメモリの負担を減らす
ワーキングメモリは、一時的に情報を保持・処理する脳の機能です。
英文を一語ずつ処理すると、そのたびに意味を組み立てる必要があり、ワーキングメモリへ大きな負担がかかります。
一方、
- at the same time
- as a result
- on the other hand
などを一つのまとまりとして処理できれば、脳の処理負荷が減り、文章全体の理解へより多くの資源を使えるようになります。
チャンク化(Chunking)
心理学では、「チャンク化」と呼ばれる現象が知られています。
これは、複数の情報を一つのまとまりとして記憶・処理する方法です。
電話番号を「090-1234-5678」のように区切って覚えやすくするのもチャンク化の一例です。
英語でも、
“take”・”care”・”of”
を別々ではなく、
“take care of”
という一つの表現として記憶することで、思い出しやすくなります。
長期記憶との連携
チャンクを繰り返し音読したり実際の会話で使ったりすると、長期記憶へ保存されやすくなります。
必要な場面で素早く取り出せるようになるため、英会話や英作文でも自然な表現が使いやすくなると考えられています。

勉強への応用
レキシカルアプローチは、受験英語だけでなく、英検・TOEIC・TOEFL・IELTS・大学受験・資格試験・英会話など幅広い英語学習に応用できます。
「単語を覚えること」を目的にするのではなく、「実際に使える表現を増やすこと」を意識すると、読む・聞く・話す・書くすべての力を伸ばしやすくなります。
英単語帳でもチャンクを意識する
単語帳を使うときも、単語だけを暗記するのではなく、その単語を含む例文やコロケーションを一緒に覚えましょう。
例えば、
- make a mistake
- pay attention
- catch a cold
- take advantage of
などを一まとまりとして覚えることで、実際の英文でも使いやすくなります。
音読はチャンクごとに区切る
英文を音読するときは、一語ずつ読むのではなく、意味のまとまりごとに区切ることが重要です。
例)
❌ I / have / been / studying / English / for / three / years.
✅ I have been studying / English / for three years.
このように読むことで、英語の語順のまま理解する力を育てやすくなります。
英作文では覚えたチャンクを積極的に使う
英作文を書く際は、一から英文を組み立てるのではなく、覚えたチャンクを組み合わせる意識を持ちましょう。
例えば、
- There is no doubt that …
- It is important to …
- One of the reasons is that …
- In my opinion, …
などの定型表現を活用すると、自然な英文を書きやすくなります。
リスニングでは意味のまとまりで聞く
リスニング中に一語ずつ日本語へ訳そうとすると、処理が追いつかなくなります。
「意味のかたまり」で聞く練習を繰り返すことで、英語を英語のまま理解しやすくなります。

今日からできる実践法
① 1日5〜10個のチャンクを覚える
最初から大量に覚えようとせず、毎日少しずつ積み重ねることが大切です。
② 音読を毎日行う
チャンクを目で見るだけでなく、実際に声に出して読むことで、読む・聞く・話す力を同時に鍛えられます。
③ 英語日記でチャンクを使う
その日に覚えたチャンクを1〜2個でも使って英文を書くと、長期記憶へ定着しやすくなります。
④ 長文読解でチャンクに印を付ける
英文を読むときに、意味のまとまりごとにスラッシュや線を引くと、チャンクを意識した読み方を身につけやすくなります。
⑤ 同じチャンクを何度も使う
新しい表現を増やすことも重要ですが、覚えたチャンクを繰り返し使うことの方が定着につながります。

才能ではなく伸びる理由
英語が得意な人を見ると、「語学の才能があるから」と感じるかもしれません。
しかし、実際には多くの上級者が無意識のうちにチャンクで英語を処理しています。
つまり、
- 英語を一語ずつ訳す人
- 英語を意味のまとまりで理解する人
では、情報処理の方法が異なります。
チャンクで学ぶ方法は特別な才能ではなく、誰でも練習によって身につけられるスキルです。
毎日の音読や読解、英作文で少しずつチャンクを意識することで、自然な英語運用能力を伸ばしていくことができます。

実際に試してみた感想(一次情報)
私自身も以前は、英単語帳で一語ずつ暗記することを中心に勉強していました。しかし、単語の意味は覚えていても、長文を読むと一語ずつ日本語へ変換してしまい、読むスピードがなかなか上がりませんでした。
そこで、長文を読むときに「意味のまとまり」で区切りながら音読する方法へ切り替え、さらに英単語も「take care of」「as a result」「be interested in」のようにチャンクで覚えるようにしました。
最初は以前の癖で一語ずつ読んでしまうこともありましたが、毎日音読を続けるうちに、英文を前から順番に理解できる場面が少しずつ増えていきました。リスニングでも、知っている単語を拾うだけではなく、フレーズ全体として聞き取れることが増え、内容を追いやすくなったように感じました。
もちろん、文法や単語学習が不要になるわけではありません。しかし、それらをチャンク学習と組み合わせることで、「知っている英語」を「使える英語」へ近づけやすくなると実感しています。
FAQ
Q1. レキシカルアプローチとは何ですか?
レキシカルアプローチとは、単語を一語ずつ覚えるのではなく、「意味のある語のまとまり(チャンク)」を中心に学習する英語教授法です。実際の会話や文章で頻繁に使われる表現をまとめて覚えることで、英語をより自然に使えるようになることを目指します。
Q2. 英単語帳だけでは不十分なのでしょうか?
英単語帳は語彙を増やすために役立ちますが、単語だけでは実際の英文でどのように使われるのか分からないことがあります。
そのため、
- コロケーション
- 熟語
- 定型表現
- 例文
も一緒に学ぶことで、実践的な英語力につながりやすくなります。
Q3. リスニングにも効果がありますか?
期待できます。
英語を一語ずつ処理するのではなく、チャンクごとに聞く習慣を身につけることで、英語の語順のまま理解しやすくなり、聞き取りや内容理解の助けになります。
Q4. 英会話にも役立ちますか?
はい。
「How are you doing?」「It depends.」「Nice to meet you.」などのチャンクをそのまま使えるようになるため、一から英文を組み立てる負担が減り、会話がスムーズになりやすくなります。
Q5. 毎日どれくらい学習すればよいですか?
一度に大量のチャンクを覚えるよりも、毎日5〜10個程度を音読・復習・英作文で繰り返し使う方が、長期的な定着につながりやすいでしょう。
おすすめ商品・サービス
① 『Lexical Approach』(Michael Lewis)
おすすめな人
- レキシカルアプローチを本格的に学びたい人
- 英語教育に興味がある人
記事との関連
レキシカルアプローチを提唱した代表的な書籍です。
おすすめ理由
理論を深く理解したい学習者や指導者に適しています。
② 『DUO 3.0』
おすすめな人
- 英単語と例文を同時に覚えたい人
- 大学受験生・資格受験生
記事との関連
単語だけでなく、コロケーションや自然な表現をまとめて学べます。
おすすめ理由
チャンクを意識した学習を始めやすい定番教材です。
③ 音読用シャドーイング教材
おすすめな人
- リスニングとスピーキングを伸ばしたい人
記事との関連
チャンクごとの音読やシャドーイングに活用できます。
おすすめ理由
語のまとまりを耳と口で繰り返し練習でき、運用力の向上につながります。
④ 電子辞書・英英辞典
おすすめな人
- コロケーションまで調べたい人
記事との関連
単語単体ではなく、実際の使われ方を確認できます。
おすすめ理由
自然な語の組み合わせを効率よく学習できます。
⑤ ポモドーロタイマー
おすすめな人
- 英語学習を習慣化したい人
記事との関連
毎日短時間でも継続してチャンクを復習する習慣づくりをサポートします。
おすすめ理由
集中と休憩のメリハリをつけ、学習を継続しやすくなります。
まとめ
レキシカルアプローチは、「単語を覚える勉強」から「使える英語を身につける勉強」へ発想を変える学習法です。
海外の教育機関や専門家の情報を比較すると、チャンクを意識した学習は、
- リーディング
- リスニング
- スピーキング
- ライティング
のすべてに応用できることが共通して示されています。
単語だけを暗記するのではなく、意味のあるまとまりで覚え、音読や英作文で繰り返し使うことが、英語を実際に使える力につながるでしょう。
参考文献
- EBSCO Research Starters. Lexical Approach
- Grade University. Tips for Teaching Lexical Chunks
- Frau Bastow MFL. Lexical Approach and Chunking
- Gallery Teachers. Use Chunking to Boost Your Students’ Listening Skills
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